澎湖の離島を巡るユニークな体験ができる「金色雙島追夕陽ツアー」に参加して、桶盤嶼(トンパンユー/桶盤島)と虎井嶼(フージンユー/虎井島)の二島を訪れてみました。
海と自然に囲まれた美しい景色が広がるこのツアーでは、新たな発見がたくさんありました。
金色雙島追夕陽ツアーの概要
地元の旅行会社と馬公市による共同開催で、澎湖では唯一の馬公市内の離島への日帰りツアーです。事前予約が必要で、参加人数がある程度集まらないと開催されませんが、午後出発の半日ツアーのため、比較的参加しやすいのが特長です。
金色雙島追夕陽ツアーの集合場所は、ディスカバリーホテルの前にある南海遊客中心(南海ビジターセンター)です。集合時間になったらガイドさんからツアーの説明が始まります。
その後、目の前の馬公南海碼頭(馬公南海埠頭)からツアー船に乗り込みます。20分ほどで到着しますが、船酔いしやすい方は酔い止めを飲むか、なるべく後ろの方の席に座るのがおすすめです。
この日は9月の雨混じりの天気で、海は少し荒れ気味でした。
桶盤嶼:島を取り囲む迫力の玄武岩石柱
集合場所である南海遊客中心から船に乗ること約20分で到着するのが桶盤嶼。
到着したら、緑がいっぱいで気持ちのいい小道を登っていきます。海側に降りてまず目に入るのは、島を囲む独特な形状の玄武岩石柱と、群生するサボテン。
石柱は近くで見ると丸みを帯びていて、団子を重ねたような形状が特徴的です。また、引き潮のタイミングでは「蓮花座」と呼ばれる特別な岩も見られるとのこと。
遊歩道まで波しぶきが飛んでくるくらい風の強い日でしたが、自然の造形美に圧倒される美しい海岸線は、写真を撮るのが楽しくなるスポットでした。
虎井嶼:猫とヤギと歴史の島
虎井嶼へは、桶盤碼頭から再び船に乗って20分ほどで到着します。
桶盤嶼よりも大きなこの島では、バスに乗って各スポットを巡りました。アップダウンがあるので徒歩で回るのは難しそうです。
虎井西山観測所
まず訪れたのは、虎井西山観測所。日本統治時代に建てられたこの施設は、秘密基地のような雰囲気で、観光客に人気の場所です。
ここはもともと日本軍の観測所で、「日本軍山本五十六大将 南進指揮所」と呼ばれていました。1940年(昭和14年)頃に、日本軍が軍事要塞の構築を始めましたが、結局山本五十六はここに来ることはなく、戦後に中華民国軍に接収されました。
建物は地下に潜る鉄筋コンクリートの構造で、虎井の住民は「アリの巣穴」と呼んでいました。南北に続く通路の両端それぞれに出口を設け、通路の両側に兵舎、事務室、通信室等を設けていました。
南端の出口には小さな見晴し台があります。ここは空海の軍情を監視するための重要な軍事拠点でもありました。
西山観測所の前には駐車場と公衆トイレがあります。オンシーズンは商店が開いているのかもしれません。
足元にはヤギの落とし物がたくさん。ガイドさんの鉄板ネタであろう説明がかなり面白かったので、中国がわかると爆笑ギャグが聞けるかもしれません。
北回歸線追日大道
虎井嶼には北回帰線が通っているのを示すライン「追日大道」と、太陽を包み込むような大きな手のモニュメントが設置されています。
この日はあいにくの雨と強風のためモニュメントに近づくことができませんでしたが、晴れた日ならすてきな写真が撮れそうですね。
”虎”井なのに”猫”島?
虎井の名前の由来は諸説ありますが、現在のこの島は別名「猫島」と呼ばれるだけあり、港周辺やビジターセンターの近くには猫がたくさん。猫モチーフのかわいい涼亭もあり、猫好きにはたまりません。
また、小吃とアイスが名物のお店「來來鮮魚湯」には、猫たちが集まるスポットもありました。
ツアー全体を通じて
天候の関係で夕陽は見ることができませんでしたが、次回の楽しみが増えた気がします。離島の自然、歴史、そして猫たちとの触れ合いを満喫できる「金色雙島追夕陽」ツアーは、澎湖ならではの魅力が詰まったおすすめの体験です。
ぱな@澎湖の猫