台湾本島から澎湖へ行く船といえば、大型フェリーの”澎湖輪”です。澎湖への定期船の中で最も大きく(定員600名)、また唯一車両を搭載できる国有企業の客船です。
高雄と澎湖の間の連絡船として長らく活躍した”臺華輪”の後続として、日本で造船され、2023年9月5日から就航しています。
ぱな@澎湖の猫
今回は澎湖に住む私たちが、高雄から澎湖への夜間運航の便に乗ってみました。
目次
澎湖輪の運行スケジュール
高雄と澎湖を往復する澎湖輪は年間を通して運行しています。毎日出航しているわけではなく、スケジュールは日によって異なります。
所要時間は昼行便は約3〜4時間、夜間便は約6時間です。高雄を朝9時または夜23時台に出発し、澎湖を夕方16時前後に出発します。
オフシーズン(10月〜3月)は特に、天候のせいで欠航することが多いため、スケジュール変更に心配がある場合は飛行機の方がおすすめです。
澎湖旅行のベストシーズン(オンシーズンとオフシーズンについて)チケットの購入方法
澎湖輪のチケットは乗船の約1か月前から販売が開始されます。オンシーズン(4月〜9月)はチケットが売り切れやすく、当日港に行っても買えないことが多いので、早めの予約が必要です。
特に車両の予約と、ベッドがある部屋は数が少ないため、販売開始直後に予約しましょう。
乗船の準備(高雄・新濱碼頭)
澎湖行きの船は新濱碼頭から出発します。高雄港はとても大きく、船の埠頭・ターミナルがたくさんあるので、事前に位置を調べておきましょう。
最寄りの鉄道駅は高雄メトロまたはライトレールの哈瑪星駅 (旧名:西子灣駅)で、徒歩6分程度です。
駅から港へ向かう道には飲食店が並んでいますが、夜の9時過ぎにはほとんど閉まっていました。
チケットの購入・受け取り場所
澎湖輪が泊まっている港と道を挟んだ向かい側、台灣航業公司ビルの1階にチケットカウンターがあります。
チケットは出発時間の1時間前までに受け取る必要があります。
チケットの購入・受け取りには、パスポート・居留証・國民身分證などの写真付き身分証明書が必要です。
座席・客室は全て指定席です。
なお、澎湖から高雄に行く場合は、同様に馬公港旅客センタービルの2階にある澎湖輪のカウンターでチケットの購入・受け取りを行います。
チケットを受け取ったら、港側にある旅客侯船室(旅客待合室)へ向かいます。
澎湖輪旅客中心(旅客侯船室)
チケットの受け取り場所に比べて、待合室は広さに余裕があります。
給水機はありますが、商店等はありません。食べ物や飲み物は各自用意している人が多かったです。
澎湖行きの船舶の乗船口には、飛行機と同様に保安検査があり、乗船チケットと身分証明書の提示が必要です。
セキュリティーチェックを通過後、澎湖輪に乗船します。
写真にはタラップが写っていますが、この日は1階の車の積み込み口と同じ場所から乗船しました。
船内の構成とフロアマップ
澎湖輪は1階が駐車スペース、2階から4階が客席・客室・景観デッキになっています。
なおチケットには階数ではなく甲板名で表記されており、A甲板(4階)、B甲板(3階)、C甲板(2階)、RO-RO甲板(1階)という呼び方もあります。
上下階への移動には、階段とエレベーターが使用できます。
エレベーターもあるので、大きい荷物があっても安心です。
2階より上の階へは、吹き抜け型の階段があります。
船内の施設と設備
澎湖輪は日本の内海造船株式会社で作られた船です。内装は明るいウッディ調の洗練された色調で統一されており、船内の設備はホテル並みにピカピカでした。
※各施設の開放時間は公式サイトの情報を引用していますが、現場での表示及び実際の運行状況により変更になる場合があります。
大廳(2F・3F)、服務台(2F)
2階にある服務台では毛布の貸し出しを行なっています。デポジット金が必要(確か500TWD)なので、現金を用意しておきましょう。
商店(3F)
船内の商店は、船が動き出してしばらくしてからオープンします。
売っているのは歯ブラシセット、シャワージェル、スナック菓子、おつまみ、パン、カップラーメンなどです。
商品の量はあまり多くないので、買いたいものがある場合は早めに行った方が良さそうです。
餐廳(3F)
3階には飲食スペースが集まっていて、一番大きいのは餐廳(レストラン)です。
餐廳の開放時間:09:30~12:30、16:00~19:00、夜間便は23:30~01:30。
弁当の販売時間:09:30~11:30、16:00~18:00。夜間は販売なし。
夜間は弁当の販売はありませんが、乗客が一斉に各自で持ち込んだ食事やカップラーメンを食べていました。
ぱな@澎湖の猫
船の揺れに備えて、椅子がワイヤーで床とつながれていました。
自動販売機、給水機
レストラン以外に、ロビーにも飲み物の自動販売機と給水給湯器が設置されています。
カップラーメンを作るときにみんな一斉にお湯を使うので、給湯器によっては一時的にお湯が出なくなるものもありました。
ぱな@澎湖の猫
咖啡廳(3F)
レストランの反対側には、咖啡廳(カフェ)があります。
カフェコーナー開放時間:09:30~12:30、16:00~19:00、夜間便は23:30~01:30。
こちらも夜間便は販売はありませんが、この他にサロンがあり、日中便ではコーヒーやケーキなどを提供しているそうです。
サロンの販売時間:09:30~11:30、16:00~18:00
兒童遊戲室、哺集乳室
3階にある兒童遊戲室(キッズルーム)は、3歳から12歳の子供のための部屋です。日中は港に着く30分前まで、夜間は0時まで開放しています。
靴を脱いで遊べるスペースや、絵本や幼児向けのおもちゃ、ぬいぐるみなどが置いてあります。
これとは別に、3歳以下の乳幼児向けの部屋と、ベビーのための授乳室があります。
無障礙淋浴間、トイレ
無障礙淋浴間(バリアフリーバスルーム)は2つあります。トイレとシャワーがありますが、自由に使えるかどうかはわかりませんでした。
各階にある男女別のトイレは個室にウォシュレットが設置されていて、歯磨きや洗顔にも十分な大きさの洗面台が備えられています。
その他の設備
通路には、船酔いした時のためのビニール袋が設置されていました。心配な方は早めにもらっておきましょう。
船内で無料で使えるWi-Fiが提供されています。ただし接続はできるものの、海上ではインターネットにはつながりませんでした。
4階の景観デッキには、中型〜大型動物用のケージがありました。ペットは客室内には持ち込めないため、ケージやキャリーに入れてこちらで待機してもらいます。
動物を乗せる場合は事前に問い合わせる必要があります。
景觀甲板(景観デッキ)
この日はあいにくの雨でしたが、晴れていればベンチで海風に当たりながら景色を楽しむのもよさそうです。
船から見る夜の高雄港。旅情を感じるには十分な光景です。
3階と2階にはテーブル席やベンチシートも設置されています。
客室・客席
澎湖輪には各種タイプの客室と、飛行機の座席のようなシート席があります。
- VIP艙:VIPルーム(2人部屋/シングルベッド×2)2室
- 特等艙:ファーストクラスルーム(2人部屋/シングルベッド×2)6室、バリアフリー対応2室
- 頭等艙:ビジネスクラスルーム(4人部屋/2段ベッド×2またはシングルベッド×4)10室
- 臥鋪艙:エコノミークラスルーム(4人収容/2段ベッド×2)60室
- 商務座艙:ビジネスクラスシート 60席
- 經濟座艙:エコノミークラスシート 240席
税金の関係で、高雄発と澎湖発とで価格が異なります。
特等艙(4F)
頭等艙(4F)
臥鋪艙(4F/3F/2F)
商務座艙(4F)
經濟座艙(2F)
臥鋪艙の宿泊体験レポート
商務座艙(ビジネスクラスシート)と臥鋪艙(エコノミークラスルーム)は同価格なので、夜行便なら横になって休める寝台タイプの臥鋪艙がおすすめです。
客室は1部屋を4人で共用します。男女混合で、部屋の指定はできません。
室内には2段ベッドが2つ並んでいます。
入り口近くには、機内持ち込みサイズのスーツケースが収まる大きさの荷物入れと、反対側の壁には軽い荷物や上着などを引っ掛けられるフックがあります。
各ベッドブース内には電灯とコンセントがあり、カーテンがついているのでプライバシーが保たれます。
掛け布団はありませんが、マットレスと枕があり、仮眠するには十分です。
冷房が効いているので、寒さが気になる人は服務台で毛布を借りられます。
カーテンを閉めた状態で電灯をつけてみました。遮光機能があるので意外と透けません。
ブース内に電灯があるので、同室の人が寝始めたあたりで室内の電灯を消しました。
海上ではインターネットに繋がりませんでした。到着までの短い時間ですが、ゆっくり進む船に揺られて、いつしか夢の中へ。
早朝、澎湖港へ到着
翌朝の4時半くらいから館内放送が流れはじめ、毛布を借りた人は返却するようにアナウンスがあります。
船は夜が明け始めた馬公港へと進んでいきます。
続いて、車やバイクを乗せている人は先に下船の準備をするように館内放送があります。
澎湖輪は馬公港の中の、旅客センタービルから少し離れた馬公8號碼頭に停泊します。
下船時には埠頭が開放されており、車が直接入ることができます。
朝早い時間なので旅行者の移動はどうするのかと思っていましたが、ホテルや旅行社の迎えや、客待ちのタクシーに乗る人が多いようです。
乗客は6時前にはほぼ全員が下船します。この時間に開いているお店は少ないので、旅行の場合は事前に移動スケジュールを確かめておいた方が良さそうです。
乗客の下船に続き、荷おろしが始まります。
団体客の場合、大型バスが迎えに来ることもあるようです。
自転車旅行のグループは、荷物を預けてそのまま自転車に乗って港を出て行きました。あまりよく眠れていないと思いますが、なかなかタフですね!
ちなみに私はというと、船内の空気が乾燥していたため、風邪をひいてしまいました。
次回乗る時は加湿マスクを持っていこうと思います。
ぱな@澎湖の猫
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